
◆あらすじ 「もっと丈夫な舞台にできるはず」というIdeaの種から、舞台チームが動き出す。半壊したステージの前で途方に暮れる一行だったが、Buildの登場で島民と共に新たな舞台を作り上げる。
Ruins
朝、舞台チームは広場の中央に集まった。
半壊したステージが、朝日を受けて長い影を落としている。台風で崩れた屋根、折れた柱、散らばった板。かつては島の誇りだった舞台の、無残な姿がそこにあった。
Do「I want to do something, but…(何かやりたいけど…)」
Doが拳を握りしめながら立ち尽くす。いつもなら真っ先に飛び出すのに、今日は違った。
「どこから手をつければ…」
破壊の規模が大きすぎて、勢いだけでは解決できない。
小柄なHaveが、大きなバッグから次々と道具を取り出す。金槌、のこぎり、釘、ロープ。
「I have everything we need!(必要なものは全部持ってる!)」
懸命に並べていく。
でも、道具があっても、この規模の修理は——
Can「I can help, but…(手伝えるけど…)」
優しいCanも、今回ばかりは自信なさげだった。
「I can’t teach what I don’t know(知らないことは教えられない)」
島民たちも遠巻きに見ている。諦めと悲しみの表情で。
Discovery
Think「I think we need expertise(専門知識が必要だと思う)」
顎に手を当てて、Thinkが深く考え込む。
「構造、強度、バランス…」
その時、Blankが瓦礫の下から何かを見つけた。
崩れた木材の隙間、埃まみれの場所に、一体の人形が埋もれていた。
大工のような姿勢の人形。片手に金槌を握り、もう片手で材木を支えるようなポーズで固まっている。作業着のような服装で、真剣な表情が刻まれていた。まるで仕事の最中に時が止まったかのように。
『俺の名前を呼んでくれ』
『建てたい…もう一度建てたい』
Blank「Build」
「君の名前はBuildだ」
名前を呼んだ瞬間——
人形の瞳が職人の輝きを宿す。固まっていた腕がゆっくりと動き始め、金槌を握る手に力が入る。
深く息を吸い込み、金槌を高く掲げる。朝日が金槌の頭に反射してきらめいた。
「Finally! Time to build!(ついに!建設の時だ!)」
瓦礫から立ち上がり、壊れたステージを見渡す。
「This needs rebuilding, not repairing(これは修理じゃなく、建て直しが必要だ)」
プロの目で構造を確認しながら、頷く。
「Let’s build something amazing!(素晴らしいものを建てよう!)」
Planning
Buildは壊れたステージの周りを歩き回る。
土台を確認し、残った柱を叩いて音を聞き、使える材料と使えない材料を選別していく。
「The foundation is still good(土台はまだ使える)」
膝をついて、石の土台を手で撫でる。
「We’ll build stronger than before(前よりも強く建てる)」
Have「I have all the tools you need!(必要な道具は全部持ってる!)」
嬉しそうに道具を差し出す。
Do「I’ll do whatever you need!(必要なことは何でもやる!)」
やる気を取り戻したDoが、袖をまくる。
Build「でも、これは俺たちだけじゃ無理だ」
真剣な表情で島民たちを見る。
「We need everyone to build this(これを建てるにはみんなが必要だ)」
「Building is not one person’s work(建設は一人の仕事じゃない)」
Gathering
Come「I’ll call everyone to come!(みんなを呼んでくる!)」
Comeが広場中を駆け回る。
「Come help us! Come to the square!(手伝いに来て!広場に来て!)」
「Come together! Come now!(一緒に来て!今すぐ来て!)」
最初は遠巻きに見ていた島民たちが、一人、また一人と集まってくる。
子供たちが好奇心に目を輝かせ、若者たちが腕まくりをし、老人たちも杖をついてやってくる。
Speak「I’ll speak to them in their language!(彼らの言葉で話す!)」
Speakが島民たちに説明を始める。身振り手振りを交えながら、新しい舞台の構想を伝える。
Will「I will lead a team!(チームを率いる!)」
「I will organize the workers!(働く人たちを組織する!)」
Willが島民たちを小グループに分け、それぞれに役割を与えていく。
Construction
Build「Let’s build this together!(一緒に建てよう!)」
全員で円陣を組む。大人も子供も、VocabDollsの仲間たちも。
「First, we build the frame(まず、骨組みを建てる)」
最初の柱を立てる。重い木材を、みんなで支える。
勢いよく柱を打ち込む——
ガタン!
柱が傾いた。釘が曲がり、土台からずれている。
Build「Easy—building needs patience!(落ち着いて—建設には忍耐が必要!)」
笑いながら柱を抜く。失敗を責めない、温かい笑顔。
「Building includes failures(建設には失敗も含まれる)」
「もう一度。今度はみんなで」
Will「I will hold it steady!(俺がしっかり支える!)」
今度は成功。まっすぐに柱が立った。
でも三本目でまた小さな失敗。板が割れてしまった。
Build「Every mistake builds experience!(すべての失敗が経験を築く!)」
「We’re building memories too!(思い出も一緒に建ててる!)」
Go「I’ll go get more wood!(もっと木材を取りに行く!)」
元気よく走り出すGo。
Take「I’ll take the heavy beams!(重い梁は俺が取る!)」
力強くTakeが材料を運ぶ。
Get「I’ll get more materials from the forest!(森からもっと材料を手に入れる!)」
Make「I’ll make the joints sturdy!(接合部を頑丈に作る!)」
それぞれが自分の役割を見つけて、動き始める。
Surprise
時間が経つにつれて、舞台が形になっていく。
Build「Now for the special part(さあ、特別な部分だ)」
目を輝かせながら、設計図を広げる。
「Watch—we’ll build something new!(見て—新しいものを建てる!)」
「The stage can rotate! It can rise!(舞台が回転できる!上昇できる!)」
島民たちがざわめく。そんな舞台、見たことがない。
複雑な仕掛けを、一つ一つ丁寧に組み立てていく。滑車、ロープ、回転軸。
夕方になり、ついに新しいステージが完成した。
前よりも大きく、前よりも頑丈に。そして、特別な仕掛け付きで。
Build「Watch what we built!(私たちが建てたものを見て!)」
ロープを引くと、舞台の一部がゆっくりとせり上がる。別のロープで、中央部分が静かに回転する。
Dance「I can dance on a moving stage!(動く舞台で踊れる!)」
興奮して飛び跳ねるDance。さっそく回転する舞台の上で、くるくると回り始める。
Sing「I can sing from different levels!(違う高さから歌える!)」
上がった部分に立って、声を響かせる。
Music「Perfect for the music ensemble!(音楽アンサンブルに完璧!)」
島民たちから歓声が上がる。子供たちが拍手し、大人たちが涙を流す。
「信じられない!」 「前よりも素晴らしい!」
Unity
Build「We built this together(一緒に建てた)」
金槌を置いて、みんなを見回す。汗と埃にまみれた、でも誇らしい顔々。
「Building brings people together(建設は人々を結びつける)」
「This stage was built by everyone(この舞台はみんなが建てた)」
Hope「I hope this stage sees many festivals(この舞台が多くの祭りを見ることを願う)」
Hopeが優しく微笑む。
島民たちも、口々に感謝を述べる。
「一緒に作れて嬉しかった」 「失敗も楽しかった」 「新しい友達ができた」
でも、日が暮れて問題が一つ浮かび上がった。
See「I can’t see in the dark(暗くて見えない)」
舞台は素晴らしい。でも、夜の祭りには——
「灯りが必要だ」
Watch「I’m watching, but darkness is coming(見張ってるけど、暗闇が来る)」
Idea「I have one more idea!(もう一つアイデアがある!)」
最後の種を取り出すIdea。
祭りまで、あと1日。
舞台は完成した。最後に必要なのは、夜を照らす灯り。
今回のキー表現
- I can build! – 建設の喜び
- Building needs patience – 忍耐の大切さ
- Every mistake builds experience – 失敗も経験の一部
- We built this together – みんなで作り上げた達成感
- Building brings people together – 建設が生む絆
壊れた舞台から、前より素晴らしいものが生まれました。失敗を恐れず、みんなで力を合わせれば、不可能も可能になる。VocabDollsと島民たちが、一つになった瞬間でした。