第6章 Journey ―旅という生き方

山道は、思っていたより険しかった。

Doの教えで最初の岩場は越えたが、山はまだまだ続く。石が崩れ、足を滑らせそうになる。息が上がり、膝が震え始めた。昨日の勢いはもう残っていない。

これまでの道とは違う。ただ歩くだけでは越えられない。技術と経験が必要だ。

岩陰に腰を下ろし、水筒の水を少しだけ口に含む。残りはあとわずか。計画的に使わなければ。

そこに、旅装束の人形が座っていた。杖を持ち、遠くを見つめるような姿勢で。風雨にさらされ、色は褪せていたが、どこか満足そうな表情をしていた。

「……俺の名前を呼んで」

低く、落ち着いた声。急ぐ様子はない。

「Journey」

光が収まると、青年が立っていた。 日に焼けた肌、旅慣れた足取り。重そうな荷物を背負っているが、その重さを感じさせない。少年を一瞥して、小さく頷く。

「山か。いいね」

感慨深げに周りを見回し、深呼吸する。

彼は歩き始め、少年も後に続く。

「歩幅を半分に。息は長く、浅く」

Journeyの歩き方を真似る。小さな歩幅、規則的な呼吸。確かに、楽になった。

「山は急がない。山のペースに合わせるんだ」

道中、Journeyは杖の使い方を教えてくれた。三点支持、体重の分散、バランスの取り方。すべてに理由があった。

夜、焚き火を囲む。 Journeyは慣れた手つきで枝を組み、一発で火を起こした。何百回もやってきたことが分かる。

「なぜ旅をしているか、か」

少年が尋ねてもいないのに、彼は話し始めた。火を見つめながら、ゆっくりと。

「理由なんて、歩きながら見つけるものさ。最初は逃げるためだった。次は食うため。今は……今は歩くことが理由かな」

火の粉が舞い上がる。

「自由っていうのは、選べることだ。今日は山を越えたかった。明日は、明日決める。それでいい」

二日目の夜、星空の下で、Journeyは故郷の話をしてくれた。

「昔、家があった。家族もいた。でも、それに縛られていた。旅に出て初めて、世界の広さを知った」

三日目の朝、稜線にたどり着いた。 世界が足下に広がっている。谷、森、川、そして遠くに光る海。風が髪を揺らし、雲が目の高さを流れていく。

「ここからは君の旅だ」

Journeyは少年の肩を叩いた。掌は厚く、温かかった。

「好きに歩け。迷ったら、また歩け。止まるな。動き続けていれば、いつか着く」

別れ際、彼は自分の杖を少年に差し出した。

「これ、使え。俺はまた作る」

そして風のように、西の道へ去っていった。振り返ることもなく、次の山を目指して。

少年は杖を握りしめ、東へ下り始めた。 Journeyの歩き方を真似しながら、一歩一歩、確実に。

旅は目的地のためじゃない。

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