
壊れた滑車
港町の工房街を探索していたBlankとDo。古い造船所の跡地で、壊れた滑車と切れたロープを見つけた。
「これ、直せたら荷物を運ぶのに使えそうなんだけどなぁ」Doが残念そうに滑車を持ち上げる。
「でも、こんなに錆びついてるし、部品も足りない。修理屋さんも見当たらないね」Blankも困った顔で周りを見回した。
二人は何か道具を作れないか、あちこち探し回ったが、材料はあっても組み立てる技術がない。
造船所の奥、工具が散らばった作業台の上に、一体の人形が座っていた。
オレンジ色のショートボブ、手には小さなハンマーを握り、真剣な表情で何かを組み立てようとしている姿勢のまま固まっている。作業台には半完成の小さな歯車が並んでいた。
「この子、何か作ってる途中だったのかな」Blankが人形に近づく。
その瞬間、Blankの頭に声が響いた。
『わたしの名前を呼んで』
名前が自然に浮かんできた。この創造的な姿勢、物を作ることへの情熱が伝わってくる表情。
「Make」
Blankが名前を呼ぶと、人形の周りにオレンジ色の光が広がった。
少女が目を開け、手のハンマーがカチンと作業台に触れる。
「やっと動ける!わたし、ずっとこの歯車を完成させたくて」
Makeは立ち上がると、すぐに作業台の材料を確認し始めた。
「I’ll make it work!(これで動くようにする!)」
Makeは壊れた滑車を手に取ると、素早く分解を始めた。錆びた部品を外し、使える部分を選別していく。
「ねえ、Do!その木材を持ってきて。I can make a new pulley!(新しい滑車を作れる!)」
Doが木材を渡すと、Makeは工具を巧みに使って部品を削り出し始めた。
「すごい!本当に作れるの?」Blankが驚く。
「もちろん!Let me make something amazing!(すごいものを作らせて!)」
わずか30分で、Makeは滑車を完璧に修理し、さらに改良まで加えていた。ロープを通すと、以前より滑らかに動く。
「これで重い荷物も楽に運べるね!」Doが嬉しそうに滑車を動かす。
Makeは満足そうに微笑んだが、次の瞬間、少し寂しそうな表情を見せた。
「これで、わたしの仕事は終わりかな…」
「Make、僕たちの船に来ない?」Blankが誘った。「君の技術があれば、いろんなものが作れる」
Makeの目が輝いた。「船?船の修理とか改造もできる?」
「もちろん!実は帆が少し破れてて…」Doが言いかける。
「I’ll make it better than before!(前より良くしてみせる!)」
Makeは工具箱を抱えて立ち上がった。
「待って、まだ他にも作りたいものがあるの。航海に必要な道具とか、みんなが便利に使えるものとか…全部make(作る)したい!」
「それは頼もしいね。一緒に行こう!」
Makeは嬉しそうに頷き、新しい創造の冒険に胸を躍らせながら、二人と共に港へ向かった。
今回のキー表現
- I’ll make it work! (これで動くようにする!)
- 何かを修理・調整する時の定番表現
- I can make a new one. (新しいのを作れる)
- 創造・製作能力を示す表現
- Let me make something. (何か作らせて)
- 提案や許可を求める時の表現
- Make it better (より良くする)
- 改良・改善を表す表現
- Make it happen (実現させる)
- 達成への意志を示す表現
「make」は「作る」という基本的な意味から、「~を…にする」という使役の意味まで幅広く使える動詞です。日常会話では「make friends(友達を作る)」「make money(お金を稼ぐ)」「make a decision(決定を下す)」など、物理的な製作以外にも多用されます。Makeのように、何かを創り出すことは、新しい可能性を生み出すことでもあるのです。