
あらすじ:難破船から救出された記憶喪失の少女に、Nameが新しい名前を見つけてあげる物語
朝
朝靄が晴れた頃、見張り台のGetが叫びました。
「漂流者だ!」
Nameは甲板に駆け上がりました。金色の長い髪が潮風になびきます。
海に浮かぶ木片にしがみついている少女を、みんなで引き上げました。意識はあるけれど、ひどく弱っています。
「大丈夫?」
Nameが優しく声をかけると、少女は首を横に振りました。
「わからない…自分が誰なのか…」
記憶を失っているようでした。名前も、故郷も、何もかも。
「My name is Name(わたしの名前はName)」
Nameは自己紹介をしました。でも、少女は悲しそうに下を向くだけ。
昼
船室で休んだ少女は、少し元気を取り戻しました。
Canが温かいスープを作り、Haveが着替えを用意してくれました。
でも、少女は誰とも目を合わせません。
「名前がないと、わたし、存在しないみたい」
その言葉に、Nameの胸が痛みました。
かつて、自分も人形として、名前を呼ばれるのを待っていた。あの暗闇の中で、どれほど長い時間を過ごしたことか。
「What’s your name?(あなたの名前は?)って聞かれても、答えられないの」
少女の目に涙が浮かびました。
Nameはそっと少女の手を取りました。
「大丈夫。一緒に見つけましょう」
夕方
夕暮れ時、Nameは少女を甲板に連れ出しました。
「これを見て」
船の帆に描かれた雲の絵、Dreamが描いたものです。
「これを描いた子の名前はDream。夢を見ることが大好き」
次に、舵輪を握るGetを指さしました。
「彼の名前はGet。どこへでも連れて行ってくれる」
一人一人の仲間を紹介しながら、Nameは言いました。
「Everyone has a name(みんな名前を持ってる)。そして、名前には意味がある」
少女は興味深そうに聞いていました。
「でも、わたしには…」
「Your name will come(あなたの名前も見つかる)」
Nameは確信を持って言いました。
夜
その夜、みんなで星を見上げていました。
少女が突然、ある星を指さしました。
「あの星、きれい…前にも見たことがある気がする」
それは北極星でした。いつも同じ場所で輝き、旅人を導く星。
「Star…」
少女が無意識につぶやきました。
Nameの顔が輝きました。
「それよ! Your name is Star!(あなたの名前はStar!)」
少女——Starの目が大きく開かれました。
「Star…わたしの名前…」
「そう、Your name is Star!(あなたの名前はStar!)」
みんなが口々に呼びました。
「Star!」
呼ばれるたびに、少女の表情が明るくなっていきます。透明だった存在に、色が戻ってくるようでした。
Starは涙を流しながら笑いました。
Nameは優しく抱きしめました。
「名前は魔法なの。Call someone’s name(誰かの名前を呼ぶ)ことで、その人は本当に存在し始める」
新しい仲間ができた夜、船は優しく揺れていました。
星空の下、みんなでStarの名前を呼び続けました。
Nameと一緒に覚えよう!
名前は、ただの言葉じゃない。存在の証明。Nameが教えてくれた大切なこと。