夜の甲板は静かだった。
みんなが眠りについた後、Blankは一人で星を見上げていた。 波の音だけが、規則的に響いている。
ふと、湖畔での出会いを思い出した。
あの時、Selfは言った—— 「あなたという人は、これまでの出会いでできている」
今なら、その意味がよく分かる。
Haveの「持つ」ことから始まり、 Getの「たどり着く」力、 Canの「できる」可能性、 Hopeの「希望」、 Doの「行動」、 Journeyの「歩き続ける」自由、 Selfの「内省」、 Restの「休息」、 Dreamの「夢見る」力。
そしてNameの「名前を与える」優しさ。
全てが積み重なって、今の自分を作っている。
ある満月の夜、船は静かな入り江に停泊していた。 Blankは小舟で岸に上がり、月光に照らされた小さな湖を見つけた。
水面は完璧な鏡となって、月と星を映している。
湖畔に座ると、不思議な感覚に包まれた。 まるで、Selfがそこにいるような——
「迷っているの?」
風に乗って、声が聞こえた気がした。 幻聴かもしれない。でも、確かにSelfの声だった。
Blankは水面に映る自分を見つめた。
名前を持ち、仲間がいて、船がある。 でも時々、これでいいのか分からなくなる。
小石を拾い、水面に投げた。 波紋が広がり、月の姿が揺れる。
「波紋は消えるけど、石を投げたことは消えない」
Selfの言葉が、記憶の中で響く。
そうだ。 全ての出会いが、波紋のように自分の中に残っている。 揺れても、歪んでも、それが自分だ。
Blankは立ち上がった。 船に戻る道すがら、心が軽くなっているのを感じた。
答えを急ぐ必要はない。 ただ、今を生きればいい。
Self was right.(Selfは正しかった) 存在することが、すでに意味なのだから。